COOTIE PRODUCTIONS®︎ COLLABORATION INTERVIEW

COOTIE PRODUCTIONS®︎ COLLABORATION INTERVIEW

2022SS COLLECTION内にてファッションブランド『COOTIE PRODUCTIONS®︎』とのコラボレーションを発表したName. 。
コレクションを表現する者として対極的な位置に存在しているブランドがどのような経緯でコラボレーションに至ったか。
込められた想いを紐解きながら、このコラボの魅力を各ブランドのディレクターから語ってもらった。

 


『COOTIE PRODUCTIONS®︎』


2000年設立された東京を拠点とするブランド。
黒色を主軸とした”Achromatic=無彩色”でアメリカンカジュアルをモダナイズしているブランド。
サウスウエストのサブカルチャーからのインスパイアは大きく毎シーズン独自のフィルターでアップデートを繰り返す。
上質で大人の品を感じさせるプロダクトを追求したコレクションを展開。

COOTIE PRODUCTIONS®︎ OFFICIAL SITE

 

(左からCOOTIEディレクター後藤 翔、Name.ディレクター松坂 生麻)

– まずCOOTIEとのコラボレーションに意外性を感じている方も多いと思いますので、COOTIEがどんなブランドか教えてください。

COOTIE 後藤 : アメリカンカジュアルの中でも、主にワークウェアからソースを得てさらに黒色を主軸にアップデートしていくというのがあって。
謳っているのは『Achromatic』っていう無彩色を意味するワードがメインで、とにかく展開する品番に黒を絶対いれています。
ストリートウェアだから、”カルチャー”を尊重して服作りに反映させていますね。


『COOTIE PRODUCTIONS®︎ 2022 SS COLLECTION』








 – 個人的には”カルチャー”というキーワードが、Name.にとって今回のコラボを盛り上げるポイントだと思っています。影響を受けている”カルチャー”をお聞きしてもいいですか?

COOTIE 後藤 : 一番影響を受けているのはチカーノカルチャー(ローライダー、チカーノ音楽やファッション)です。
インスピレーションはそこから得て、商品を思い浮かべたり、そういうニオイがするようなディテールやシルエットを取り入れたり。
Dickiesとコラボしてわかりやすく表現する時もあるけど、ストレートに表現しすぎないようにしています。


– わかりやすくイメージソースやそのカルチャーが表現されている作品はありますか??

映画で言うと『ブラッド・イン ブラッド・アウト』とか『アメリカン・ミー』とか、こういったチカーノカルチャーを表現している物がインスピレーションソースになっています。


– ありがとうございます。ここまでCOOTIEを知ってもらえたら尚更わかると思いますが、カルチャーから物作りをするという点がName.と対極的な理由になるかと。コラボしなさそうだからこそ、斬新というか新鮮に思える気がして。ズバリ、何がきっかけだったんですか?

COOTIE 後藤 : 化学反応的なところを狙うというか。生麻(松坂)とも仲がよかった事からそういう話が上がってて。

Name. 松坂 : ずっと何かやろうとか、いつかやれたらいいね、とか呑みに行くたびに話してて。。

COOTIE 後藤 : そうだね(笑)

Name. 松坂 : というのも元々アパレルの販売から、セールス、PRなどを通して
今のディレクターに至った経緯とか二人の境遇が凄く似ているんです。経緯が似ている分、悩みも同じだった。

COOTIE 後藤 : ディレクターになるまでの流れがすごい似ているよね。

Name. 松坂 : お互いに各ブランドのバイヤーさんともコミュニケーションをとる立場だったから、ただ良い物を作るっていうだけで物作りをしていなくて、ユーザーや会社のことを考えた上での物作りを二人ともしていると思う。
そういう人が自分たちの周りにあまりいなくて。

COOTIE 後藤 : 営業しながら企画をしているみたいな状況が近いなぁって。

Name. 松坂 : そうそう。だから悩みが似てたし、お互いの悩みに共感もできて、会う機会が増えていったことで一緒に出来たらいいね。って話してました。

 


-繋がりが生んだコラボレーション。皆さんの関係性に熱さを感じます。

Name. 松坂 : その繋がりもトモさん(Tomo&Coデザイナー)が1年以上、ずっと会わせたいって言ってくださっていて、トモさんから見てても流れが一緒(ディレクターの経緯)だから仲良くなれるよって言われていて、その通りだったっていう。


– それこそお二人が出会ったきっかけでもあるTomo&Coさんとも今回トリプルネームとしてシューズもリリースできるのは嬉しいですね。

 



– ちなみに今回のコラボレーションのルックのテーマや撮影イメージは?

COOTIE 後藤 : 今回は生麻の『モノクロで撮りたい』って言うキーワードから入って、黒1色で製作したコレクションを強調するように撮っても面白いかもねって。見えづらくなるけどそっちの方がかっこいいかなって。

Name. 松坂 : イメージコラージュみたいなことをして、それを広顕くん(COOTIE PRESS 三好)が噛み砕いてってくれて。
スタイリングは翔くんがやってくれてます。

COOTIE 後藤 : ウチもあそこまでストイックにモノクロにして撮らないから新鮮だったのと、今回のコラボはCOOTIEの洋服がベースになっているから、雰囲気を変えたいって言うのがあって。

少し都会的な印象にもしたくて生麻と相談しながら創っていきました。


– 確かにいつものCOOTIEともName.のルックとも違った印象ですね。


 

『collaboration with COOTIE PRODUCTIONS®︎ LOOK』









COOTIE 後藤 : なるべく両方のブランドを知っていても新鮮に映るようになっていると思います。

Name. 松坂 : 黒1色で製作したからこそモノクロに出来たルックかなと。カメラマンさんのパワーにも助けれられました。

COOTIE 後藤 : ライティングを何パターンも出してもらいました…『この感じと、この感じどっちがいい?』みたいに、その場でいくつも対応してくださって…

フォトグラファー : Kodai Ikemitsu (WEBinstagram)


– COOTIEのアイテムがベースになったとの事ですが、今回のコラボアイテムにこの品番を選んだ理由は?

COOTIE 後藤 : まずCOOTIE定番のワークシャツとスーパーワイドの2タックイージーパンツは僕がディレクターになってずっと製作している品番なんです。
尚且つName.とコラボするからこそカルチャー色の強い物をピックしたくて、生麻も気に入っているフットボール型のプルオーバーも選びました。
これもただスポーティーに作るのではなくて、セットアップのパンツも深めの1タックを入れてCOOTIEらしさを入れたくて。
そこに生麻のセレクトしたName.らしい生地に置き換えて製作しています。

Name. 松坂 : よくあるコラボレーションって、声をかけた側(今回はName.)の型に合わせてコラボ相手のエッセンスを取り入れるけど、今回はあえてCOOTIEの型に合わせてName.らしさを表現しているのもポイントです。

COOTIE 後藤 : ストリートブランドとして認知されている中で、ウチが一番印象と違う点は圧倒的にグラフィックが少ないんです。
グラフィックが少ない中で、形で表現するブランドだからこそ、Name.とのコラボって考えた時に置き換えしやすかったのかなと。


– より一層、黒という無彩色が際立ちますよね。Name.もここまで黒い物で構成したコレクションはなかったです。

Name. 松坂 : このためにインライン(2022SSのラインナップ)から黒を抜いたからね。(笑)
あとは、毎回COOTIEの展示会でオーダーをさせてもらって気づいたけどパンツがすごい良くて。
カルチャーを感じるという点からもスタイリングをしやすくて、単純にそれをコラボレーションで作らせてもらいたかったんです。

COOTIE 後藤 : ここに並んでるコラボのパンツ、3つとも特徴的だよね。(笑)

Name. 松坂 : 特にワイドのタックパンツはCOOTIEの制服じゃないけど、遊びに行く時もスタッフの皆が履いてる印象があって、だからこそそれをコラボでも作りたいなって。


– ということはパンツから構成されたんですかね?

COOTIE 後藤 : これとこのパンツがやりたい!って生麻から聞いて、それに合うトップスを選んで~というやり方で決めてます。
ウチが元々セットで提案していないものもセットアップにしたり。

Name. 松坂 : タフタのパンツとか、過去にCOOTIEでオーダーさせてもらったやつです。(笑)

COOTIE 後藤 : 本当に生麻が好きなアイテム達です。(笑)


– コラボレーションだからこそのラインナップですね。(笑)



– すごく気になっていたんですけど、COOTIEの商品名って独特なワードが使われていますよね。例えばこの”ERROR FIT(エラーフィット)”とか。(シャツやパンツ、カットソーに使用されている品名。)

COOTIE 後藤 : これは”オーバーサイズ”や”ビッグサイズ”ってよくあると思うけど、この”ERROR FIT”はどこかのディテールだけ大きいとかじゃなく、全てのディテールが大きいんです。
今回のOPEN END YARNのシリーズ(カットソー)も袖や身幅だけじゃなくて、着丈が長いのも特徴で。
大体が標準サイズの着丈でオーバーサイズとかに仕上げているのに対して、『うわっ。長っ!』ってなるくらいのサイズ感にしているのがERROR FITです。
“ERROR”って失敗とか誤差という意味なので、間違ってどデカく仕上がっちゃった…みたいな意味合いも込めてます。
カーゴパンツにもその名を付けているのはこれでもかってくらい太くしてて。
股上も深いしポケットも大きい。まさにERROR FITのサイズ。


– オーバーサイズよりもオーバーサイズという感じですね?

COOTIE 後藤 : タテヨコ、エラーしちゃってます。笑
実際にカルチャーに影響されたサイズ選び(Tシャツで4XLとか)がそのままプロダクトに反映されているので、実はこのシリーズがすごくカルチャーを表現しているんです。


– という事はオーバーサイズではなく、”スタイル”ですね。“カルチャーを着る”というか。

COOTIE 後藤 : そこはチカーノカルチャーが活きているところですね。
COOTIEではERROR FITのTシャツにオーバーサイズ物のシャツを着て、シャツの裾からTシャツをレイヤードして…っていうのを提案してます。
それくらい着丈も長く大きめのサイジングになっています。


– そういう観点でもName.とは全く違う提案ですね。
時代に(流行など)合わせたサイジングではなく、サイズ1つをとってもカルチャーを提案していて。

COOTIE 後藤 : カルチャーの部分は見る人が見たら『なるほどね。』ってわかるくらいの。
あとは生地で言ったら前はBD(米綿)のTシャツとかを使っていたけど、そこまでやっちゃうとアメリカ物でよくない?ってなるので、BDのような印象だけど日本製ならではのタッチが魅力のOPEN END YARNのシリーズを作ったりしています。
原型に忠実だったりするのもコレクションブランドと違って、リアルクローズを提案するストリートブランドらしさもあって。


– カルチャーで勝負しつつ、品質も向上させているのが今のCOOTIEなんですね。ストリートブランドの強みですよね。

COOTIE 後藤 : 目標はそこまで語らなくても、わかってもらえる(カルチャーを)ようになればなと。


– 既に見てわかるモノ、伝わるコトがありますが、今後のCOOTIEも楽しみです。
COOTIE 後藤 : とにかくコラボでリリースする品番は着たり履いたりして欲しいですね。



-色々とお話しを伺った上で、両ブランドのディレクターがオススメするスタイリングを見せて欲しいです。

COOTIE 後藤 & Name. 松坂 : 全部オススメなんですけどね。(笑)


– 全部オススメではあると思いますが、、その中でもオススメを。笑

COOTIE ディレクター

後藤 翔


tops: POLYESTER KERSEY ERROR FIT CPO SHIRT
bottoms: POLYESTER KERSEY ERROR FIT CARGO EASY PANTS
shoes: Tomo&Co LEATHER SLIPPERS


COOTIE 後藤 : どちらも定番で展開しているCPOシャツとカーゴパンツですが、先程も説明した通りERROR FITのサイズ感がCOOTIEならではの解釈のアイテムです。
僕たちはスポーツ(バスケット)をやってた事もあって体型が大きいけど、このERROR FITは体型を綺麗に見せてくれるのもポイント。
特にカーゴパンツは忠実なディテールだけどヴィンテージには無いボリューム感やシルエット、サイズアップしたポケットが魅力です。
そして普段COOTIEではセレクトしない落ち感のある上品なカルゼが見た目以上に涼しい。

Name. 松坂 : これは展示会でも圧倒的な人気だったね。


Name. ディレクター
松坂 生麻

tops: POLYESTER TAFFETA FOOTBALL L/S TEE
bottoms: POLYESTER TAFFETA 1 TUCK EASY ANKLE PANTS


Name. 松坂 : これは対して展示会では目立ってはなかったけど…笑
ただ、ここの二人がバスケットボール経験者という共通点から連想させるウォームアップウェアに通じていたり、タック入りのパンツはCOOTIEの皆が履いていることからスポーティな印象に変化させて製作できたら嬉しいなと思っていて。COOTIEのカルチャーと自分達の経験から製作した分、思い入れがあって。

COOTIE 後藤 : COOTIEではもう少しタフな印象のポリエステルツイルとかで作ることが多いから、ここまでスポーツウェアに寄ったのはコラボならではかなと。

Name. 松坂 : Name.ではロゴものをあまり作らないから胸のロゴはCOOTIEらしさを表現したディテールなんです。個人的には色々詰まってて語り出したら止まらないので、これが気になる方は店頭で着てみてください。(笑)

COOTIE 後藤 : 基本的に今回の型は全部自分達が好きな物を詰め込んでいます。いわゆるスタメン。(笑)
COOTIEのテーマでもある黒しか使ってないし。
写真では伝わらないので着てください。
 

(その後も2人の熱意のあるトークは続く。。)
 
 
 



 
バックボーンを尊重しながら”Achromatic”というオリジナリティを加え、唯一無二な存在へと昇華しているCOOTIE PRODUCTIONS®︎。
そのプロダクトには様々な知識と背景、経験、そして人の想いが込められている事が2人の会話から伝わりました。
2月5日(土)から全国で一斉に展開が始まります。Name.直営店であるName. STOREは勿論、COOTIE FLAGSHIP STOREや全国の両ブランド取扱店舗にて発売致します。
取り扱いや商品に関してのご不明な点は下記の店舗、または最寄りの取扱店へお問い合わせください。


『COOTIE FLAGSHIP STORE』
150-0041 東京都渋谷区神南1丁目3-10
tel : 03-6809-0090

『Name. STORE』
153-0042 東京都目黒区青葉台1-15-4 1F-B
tel : 03-6416-4860 




interviewee :
COOTIE DIRECTOR  後藤 翔
Name. DIRECTOR 松坂 生麻

photo :
COOTIE PRESS 三好 広顕



ブログに戻る